「先生・・・・」
勇気を出して声をかけた。

先生は気まずい顔をした。
私は胸が痛んだ。

「この前は、急に変なこと言って
ごめんなさい・・・・・
ゆっくり話したいの。」



「嶋村・・・・・
俺ね・・・・」

言いかけた時
3年生の生徒が
「先生」
と、呼んだ。


私は何事もなかったように
その場を立ち去った。


部活の時、先生がいなかった。
変わりに違う先生がサッカー部についていた。

  先生・・・・いない・・・・・



部活も身が入らなかった。
顧問に怒鳴られたし
やぱりタイムも下がったし
先生がいないだけで私の胸の中は
ぽっかりと穴があいて
頑張れなかった。


同じクラスのサッカー部の子に
「今日、中村先生休み?」ってきいた。

「なんか、急用で帰ったとさ。」

「あ、そうなんだ。」


帰り道、雲行きが怪しくなった。

  明日は約束早々中止かな~

みんなと別れてバスに乗った。

電車に
乗継しようと通路を歩いていた時だった。


  優先生!!!

反対側の通路を先生が歩いてきた。
電車の乗り場は完全に逆・・・・・

  今から向かったら間に合うかな