となりの野獣

驚く客はもういなかった。
閉店間近のようだ。

そこには皿洗いをしているジュリア。


「野獣様どうしたの?」

「ジャムはどうした!!!!」

「これかしら」


ひったくったジャムはよく見ると、瓶の蓋が少し違う。

恐る恐る匂いを嗅いだ。
俺の鼻は大きいが、あまり良くない。


「本当にこれ…なんですか?」

「薔薇のジャムなら使い切ってしまいましたよ?
…野獣さん、実はジャムお好きでしたの?」


着いてきたローズが不審そうに聞いたのに脱力する。


キンと香る苺ジャム。


それから数日、その村の露出狂検挙率が異常に高かったことを、俺たちは知る由もなかった。