校門を出て帰宅の途につく。
春になって少しずつ日が長くなってきた。
午後五時を回ったというのに、まだまだ明るい。
吹き抜ける風もどこか心地よく、つい遠回りして帰りたくもなるというものだ。
「あれ?」
いつもの帰り道を曲がらずに真っ直ぐ。
私が御影川にかかる橋を渡ろうとしているのを見て、修内太が立ち止まった。
「どこ行くんだ、メグ?」
「いいじゃない、たまには付き合いなさいよ」
そう言って私は橋を渡る。
全長50メートルほどの御影橋。
そこから御影川のせせらぎが見える。
川沿いに咲く桜の花びらが水面に浮かび、桃色に染まる。
「なかなか桜もいいもんね」
そうやって水面に気をとられていたので。
「メグ」
修内太に呼ばれて、私は初めて目の前に男が立っているのに気づいた。
春になって少しずつ日が長くなってきた。
午後五時を回ったというのに、まだまだ明るい。
吹き抜ける風もどこか心地よく、つい遠回りして帰りたくもなるというものだ。
「あれ?」
いつもの帰り道を曲がらずに真っ直ぐ。
私が御影川にかかる橋を渡ろうとしているのを見て、修内太が立ち止まった。
「どこ行くんだ、メグ?」
「いいじゃない、たまには付き合いなさいよ」
そう言って私は橋を渡る。
全長50メートルほどの御影橋。
そこから御影川のせせらぎが見える。
川沿いに咲く桜の花びらが水面に浮かび、桃色に染まる。
「なかなか桜もいいもんね」
そうやって水面に気をとられていたので。
「メグ」
修内太に呼ばれて、私は初めて目の前に男が立っているのに気づいた。


