「じゃあさ、カル。そろそろアンタの見解を述べてもらおうかねぇ?
ワタシの能力の見当はついてるんだろ?」

「あぁ、だがその前に…
今になって行動を起こした理由を説明してもらおうか。話を聞く限り、お前は成人だ。強力な能力なら幼少時代から気付いていたハズなのに、今になって行動を開始した動機は何だ?」

MDは、しばらく沈黙した。そして十数秒して口を開く。

「…何だって良いじゃないか。それに質問してるのはワタシだよっ!
何回も言わせるんじゃ無いよ!!」

MDの性格は短気でヒステリック。頭脳派を装っているが、実はあまり頭の良い方では無い。そして動揺しやすい…

以上を総合的に解釈すると、
[MDはプライドが高いが、精神的に不安定要素がある]
…それが俺の診断結果だ。

しかしこれは犯罪者としては最も危険なタイプとも言える。計画的に物事を進めていても、些細なトラブルで見境無く犯罪を行う危険性が高いからだ。

「悪かったな、MD。こちらの質問は無かったことにしてくれ」

奴のペースに合わせるフリをして、そろそろ切り札を出すか。