月見は淡々と語った。
舟本は携帯を持つ手が震えるのを隠せずにいた。
「もう一度お聞きします。お隣の娘さんのランドセルは何色でしたか?」
舟本は月見の問い掛けに返事をしなかった。
否、できなかった。
実際ランドセルをこの目で見ていないのだから、当たり前の話だった。
舟本は沈黙を続けた。
断じて認めるわけにはいかない。
認めたら、終わりだ。
どれくらい時間がたっただろうか。
「舟本さん、いい加減に…」
焦れたように口を開いた日野刑事を、月見が手で制した。
「よく考えて下さい舟本さん」
月見は穏やかな口調で言った。
「柏木教授の死因は病死だと、捜査当局もハッキリと結論を出しています」
「そ、それがなにか…」
「舟本さんにかかっている嫌疑は器物損壊や家宅侵入といったものです。殺人ではありません」
日野刑事がなにか言おうとしたが、月見はそれを遮って言葉を続ける。
舟本は携帯を持つ手が震えるのを隠せずにいた。
「もう一度お聞きします。お隣の娘さんのランドセルは何色でしたか?」
舟本は月見の問い掛けに返事をしなかった。
否、できなかった。
実際ランドセルをこの目で見ていないのだから、当たり前の話だった。
舟本は沈黙を続けた。
断じて認めるわけにはいかない。
認めたら、終わりだ。
どれくらい時間がたっただろうか。
「舟本さん、いい加減に…」
焦れたように口を開いた日野刑事を、月見が手で制した。
「よく考えて下さい舟本さん」
月見は穏やかな口調で言った。
「柏木教授の死因は病死だと、捜査当局もハッキリと結論を出しています」
「そ、それがなにか…」
「舟本さんにかかっている嫌疑は器物損壊や家宅侵入といったものです。殺人ではありません」
日野刑事がなにか言おうとしたが、月見はそれを遮って言葉を続ける。