ところが返ってきた答えは

「レミはもう少し自分のルックスを自覚した方がいい」

というものだった。

ぶっ飛ばす以前の問題だった。

言ってる意味がよくわからない。

「でも安心しろ」

達郎は立ち止まって言葉を続けた。

「オレはレミが刑事やってること誇りに思ってるから」

風が吹き、再び桜の花が舞った。

いきなりなに言うのかと思ったら。

でもおかげで胸のムカつきは消えた。

「ありがと」

あたしは笑顔を返した。

「どういたしまして」

達郎も、いつの間にか笑みを浮かべていた。

あたしたちは再び歩き出した。

「もうすぐ舟本のマンションに着くわ」

照れ隠しに話題をそらしてみた。

「あそこに見える5階建てマンションがそうよ」

そう言って指をさしたあたしの視界に、ある一団が入ってきた。

「あ、可愛い」

あたしは思わず口に出してしまった。

それは下校途中の小学生の一団だった。