「ごめんな。俺が悪かった。

俺が気持ちを正直に話したら

良かったのに、俺が先生にならなかったら

良かったのに。由紀子に辛い思いをさせた。

俺は初めて会ったときから、好きだった。

美雪に浮気されて落ち込んでいた時、

このマンションに引っ越してきた。

最初の挨拶で由紀子の笑顔を見て

俺の心に染みこんだ。」

私は先生の腕の中で泣いていた。

先生の言葉が私の心の鍵を

開けていく。

「俺は由紀子と一緒にいたいために

高校に就職した。けどそれが

間違いであった。教師と生徒の関係。

俺は教師という看板に傷を付けたく

無かった。

けど、美雪に俺は正直話した。」