「あたし、大阪行く」

 本当に突然のことだった。

「……は?」

 あたしの決意を聞いたお母さんと妹のあや乃は、軽く放心状態。

「なんで大阪なの?」

 お母さんが聞いた。

「大阪の、若葉大学に行きたいの」

 そうだ。

 あたしはもう高校3年生。

 そろそろ進路を決めなければならない。

 県内の高校でいい高校がなかったから、何故か大阪で探してみた。

 で、適当に決めちゃった。

 響きいいしね。

「あんたそれ…大阪までどうやって通う気!?」

「大丈夫!寮制だから♪」

 そもそも、埼玉から大阪まで毎朝通うか?

「あんたそんなねえ…」

「いーじゃん。お姉の好きにさせれば。

 お姉の人生なんだし」

 冷静に入ってきたのはあや乃。

 いつの間にそんな立派な妹になったんだ!

 あや乃の言葉に少し戸惑うお母さん。

 すると、はーっとためいきを吐いて

「ほんと。あや乃の言うとおりだったね。

 好きにしなさい」

 と言った。

 じゃあ、お好きにします!