「…ねぇ、アレン」


食事会を無事終わり、結局交流会は出来ぬまま医務室に向かうアレン。


彼は横を歩くレイに声をかけられ、チラリとそちらに目をやった。



ちなみにマケドニスも隣にいる。



「ギルク、あれ何だったのかしら…。あのギルクがあんな風になるなんておかしいわ」


そう心配そうに囁く彼女。


扱いこそ酷いがギルクも大切な仲間。


気にかけるのは当たり前である。



「…さぁ。でも言いたくなかったみたいだし、言わなきゃ駄目なことならもう教えてくれてるだろ。

あいつはそこまで馬鹿じゃないし、今は放っとけ」


そう珍しく長々と話しながら、普段あれだけどな、と付け足すアレンに思わずマケドニスは噴いてしまった。

あれというのも失礼だが、確かに普段の彼はお馬鹿な言動が多い。


それで救われることも多少なりあるが。



「…そう、ね。きっとイルに負担かけないようにしてるんだわ。
それなのに私達が無駄にしたら、それこそ可哀想よね」


…あの料理でなくなった料理のように。



とりあえずその言葉は頭の中だけで言っておく。