「うおー…、危なかったぁ…」


去っていく三人の背中を見送りながら、ギルクはふぃーっと溜め息をついた。


それから困ったように唸って皿を見る。



「いやぁ…不覚。こんなモン作っちまうくらい悩むのも俺らしくねぇよなぁ…」


どうやらあのギルクに悩み事があるらしい。


彼は頭を掻いてしかめっ面すると、仕方なく料理のようでもう料理ではない物を捨てに行った。



かなり多くの視線を感じて、また少し気分が落ちる。




「イルには負担かけたくないしなぁ。どうしよっかなー…」


ギルクはそう呟くと、また新しい皿を取り広場に戻って行った。




──…それを見ていた人物が数名。





「……? 変なギルクぅ」


初っぱなからデザートを平らげていたリルム達子供組は、一斉に首を傾げて頭上に?マークを浮かべた。



「後でアレンに教えてあげよーっと!」



また彼と話す機会ができ嬉しい少年少女達は、ニッコリ笑うと上機嫌でまたデザートを口に運ぶ。




「ぎゃーっ、美味しいぃいー!!」




…そしてこの瞬間に、もうアレンに話そうと思っていたこと自体を忘れたのだった。



単純おバカが多いらしい。