「アレン様、本気ですか!?」


翌日の早朝、勇者の城庭園にて。

焦りを含んだマケドニスの声が、冷えた空気に大きく響いた。


「…俺がこんな冗談言うと思うか?」

「でも何で…」


そう狼狽えるマケドニスの視線の先には、寝癖でくすんだ金髪を気にしていじる少年。

ユーリが、アレンのすぐ隣に立っていた。


「うるっさいなあー。いいじゃんマケドニスぅ~。俺親衛隊隊長だぜ?」

「お前は黙りなさい」

「…マケドニス」


調子に乗るユーリを全無視して、側近を手招きするアレン。

二人はユーリから少し離れ、小声で話をはじめた。



「ほんっとに何でですかアレン様!絶対何かやらかしますって!」

「…ユーリの両親がわかったから、会わせようと思って」

「だからって…、え?」

「もういいだろ。イル達が待ってる」


ちょっと待ってくださいよ!と慌てるマケドニスを残し、アレンはユーリを連れイルとルティ、ルネのところに向かった。

噴水の前に集まるメンバーに、メディンはうんうん頷く。


「この面子ならユーリも安心じゃ」

「違うよ、俺が守るんだぜ!」

「アレン、頼むの。ほら、ルシイルもユーリ兄にバイバイじゃよ」

「う~」