黙って聞いていたアレンは眉を潜めたまま頷いた。
隣でマケドニスが表情を歪ませている。
クナルは奥で眠るリルを気にかけながらも、マケドニスの傍で黙り込んでいた。
「ジオン様がラレスカを捨てる決意をした時、もう諦めたつもりだったんだけど…」
やっぱり改めてもう駄目だとわかるとキツイわね、とハルアは無理して笑った。
五人以外にエレス族はいなかったのだから、きっとジスカルで他の仲間は亡くなっていったのだろう。
その中にはハルアと双子の母親もいる筈。
母親との思い出の地に戻りたかったのだろうと察したが、アレンには何も言えなかった。
「ナティアは生きてたのよね。現に息子のアンタがいるし。ジオン様は?奥様は?」
「…いない。母さんが立てた二人の墓にも行ったから、確実だ」
「…そう」
期待を宿らせた瞳から少し光が失せた。
それを見たアレンはやりきれない気分になる。
「ナティアは…」
「…母さんもいない」
「……………。そっか…」
俯くハルア。
普段気丈な分受けたショックは大きいだろう。
意気消沈する彼女の手を、アデルが慰めるようにきゅっと握った。
隣でマケドニスが表情を歪ませている。
クナルは奥で眠るリルを気にかけながらも、マケドニスの傍で黙り込んでいた。
「ジオン様がラレスカを捨てる決意をした時、もう諦めたつもりだったんだけど…」
やっぱり改めてもう駄目だとわかるとキツイわね、とハルアは無理して笑った。
五人以外にエレス族はいなかったのだから、きっとジスカルで他の仲間は亡くなっていったのだろう。
その中にはハルアと双子の母親もいる筈。
母親との思い出の地に戻りたかったのだろうと察したが、アレンには何も言えなかった。
「ナティアは生きてたのよね。現に息子のアンタがいるし。ジオン様は?奥様は?」
「…いない。母さんが立てた二人の墓にも行ったから、確実だ」
「…そう」
期待を宿らせた瞳から少し光が失せた。
それを見たアレンはやりきれない気分になる。
「ナティアは…」
「…母さんもいない」
「……………。そっか…」
俯くハルア。
普段気丈な分受けたショックは大きいだろう。
意気消沈する彼女の手を、アデルが慰めるようにきゅっと握った。


