ボソリと呟いたアレンの一言で、結局パルス村は却下となった。
次に地図の上の方を指差した勇者様は、ここは結構な空きがあるけど、と前置きする。
「ノスラムシティは北にあるから寒い。山もあるし他の町には出掛けにくい」
「寒さなら大丈夫。ラレスカも冬は冷え込んだからね」
顎に手を宛て考えながら、レノディアはそう言ってアレンを盗み見た。
もちろん気付いたアレンは地図から顔を上げる。
「なあアレン」
ジゼルがアデルの手を引きながら、アレンの服の裾を引っ張った。
その肩にレノディアとハルアの手が置かれる。
「俺、ラレスカに行きたいよ」
「そうよ。ねぇ、どうして戻っちゃ駄目なの?」
「……………。」
じっと見上げてくる目。
碧のそれらをしばらく見つめ、アレンは溜め息をついた。
「…今入れない状態だからって言っただろ」
「なら復興するよ!俺らなら楽勝だぜ!」
「……駄目だ」
「なんで!」
首を縦に振らないアレンにジゼルは必死になって食いつく。
眉を潜めた青年はベッドから降りると、膝をつき少年と目線を合わせた。
次に地図の上の方を指差した勇者様は、ここは結構な空きがあるけど、と前置きする。
「ノスラムシティは北にあるから寒い。山もあるし他の町には出掛けにくい」
「寒さなら大丈夫。ラレスカも冬は冷え込んだからね」
顎に手を宛て考えながら、レノディアはそう言ってアレンを盗み見た。
もちろん気付いたアレンは地図から顔を上げる。
「なあアレン」
ジゼルがアデルの手を引きながら、アレンの服の裾を引っ張った。
その肩にレノディアとハルアの手が置かれる。
「俺、ラレスカに行きたいよ」
「そうよ。ねぇ、どうして戻っちゃ駄目なの?」
「……………。」
じっと見上げてくる目。
碧のそれらをしばらく見つめ、アレンは溜め息をついた。
「…今入れない状態だからって言っただろ」
「なら復興するよ!俺らなら楽勝だぜ!」
「……駄目だ」
「なんで!」
首を縦に振らないアレンにジゼルは必死になって食いつく。
眉を潜めた青年はベッドから降りると、膝をつき少年と目線を合わせた。


