ふいに俺の鼻先を苦い匂いが掠める。 …煙草? 「じゃあアキラ。俺もうここで…」 言葉を詰まらせて気まずそうにしている黒井の意図を察した俺は慌てて後退りをした。 「悪りい!俺、帰るな」 そう言うと黒井はあからさまに安堵の表情を浮かべる。 「じゃあ、また明日な」 「ああまたな」 「竹内クン、明日課題忘れないようにね」 「うっせえよ」 その時だった。 篠田に向かって中指を立てたら、ドンッと大きな音がした。 その音は二階のほうから聞こえて、天井から埃が舞い落ちるほど響いた。