小枝子は鏡やガラスに映る、私自身の中に棲んでいるのではないだろうか?
私は駅に引き返そうとしたが、直ぐに市役所前の信号で足止めさせられた。
信号待ちをしている時、背後に妙な気配を感じて振り返った――
市役所のガラスに映った私が、なぜか上を見ている…
う、上?
私も上を見ると、真上にあった道路標識が外れて落ちてきた!!
「きゃあ―――!!」
激しい金属音が周囲に響き渡り、標識が歩道に転がった。
私は間一髪、地べたに這う様にして避けた。
ゆっくりと顔を上げると、ガラスの中の私が覗き込む様にこちを見て言った…
「だいじょ~ぶ?」
もしあの看板が直撃したら、私は間違いなく真っ二つになっていた…
小枝子は、戻る身体が無くなっても良いのだろうか?
標識が落ちてきたのに気付いた人達が、続々と集まってきた。
私は足早に、その場を後にした。
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