彼は振り向いてくしゃっと笑った。 「金魚!名前つけたら教えてよ!」 こんなにも人を眩しいと思ったのは初めてだった。 「金曜の六時にまた金魚すくいの前でね!」 彼はそう言うとあっけにとられている私をみむきもしないでゆっくり自分のペースで歩いて行った。 来週の金曜はまたここで花火大会がある。 夏の花が、夜空に咲く。