“あと3日だ・・・”


フッと一笑したあと、屋敷へと戻った拓海。



その後姿で何かを読み取れるほど、彼の人となりを知らない私。




拓海のキモチを、推し量るコトなど出来るワケない。



知らないコトが多すぎるというのに、とてもムリな話だもの。





だけれど、不思議と恐怖を感じないのは何故だろう?





後藤社長への戦慄は、未だに巣食っているというのに。



婚約者からの圧迫も、未だ内心では続いているクセに。





どうしてか今まで一番、身軽に感じてしまっている・・・




これは決して、強がりなどというワケではなくて。




きっと拓海の言葉が、ソレらに勝ったのかもしれない。




博打めいたモノを待ち侘びて、心が占領されたのも一理あると思う。




拓海の言葉が、期待と不安を助長させているけれど。





すべては3日という時限が、鍵を握っている――