「人によって違う
ことを追求しても
答えはでないだろ。」


俺はそれだけ言って
紅茶を飲み干した。


あいつは何も言わない。

やがて俺から視線を
逸らしコーヒーの
カップに手をやっていた。


そして一言呟く。


「そっか。そうだな。」


言いながらようやく
爽やかに笑った。


そんなに気になって
いた問題だったのか?


こいつは俺がどんな返答
をしようともそれに反論
したことはない。


何故かはよくわからない。