「テストの時は結果
が全てなのに試合は
今までがいいなら
負けても許されるの?」

あいつはコーヒーを
置いて俺に問うわけ
でもなく呟きだした。


「ん?」

「じゃあ人生では?
莫大な富を築いて
自分が生きてきた
痕跡をはっきり世間に
知らしめるのか、
普通の日常で特に
不自由のない生活を
過ごしなんの功績も
残さずゆっくりと
年老いていくのと。」

あいつは一気に喋り出す。

俺は内容をほとんど
理解出来ずただ唸った。

「うーん。」

「どっちが正しい?
どっちが幸せ?」


疑問符を付けた感じで
喋っているが視線は
コーヒーを見つめている。

まだ俺には聞いてこない。