「宮辺あんず!! そろそろ覚えてよー??」 彼女はちょっと寂しそうに笑った。 俺はまた、小さく頭を下げる。 俺は基本、人の顔と名前を覚えるのは苦手だ。 あー・・・そうそう、あんずだった。 登校中の朝。 俺は久しぶりに1人で学校に行っていた。 いつもは幼なじみの誰かと一緒に行くんだけど。 ちなみに学校には、徒歩で行ってる。 家と学校の間には坂があるけれど、1㌔も距離があるわけじゃないから、歩いたほうがはやい。 「なんかちょっと寒いねー今日」