隣で一緒に話していた美智子は、爽の顔を見た瞬間、顔色を変えた。 目が、乙女になっている。 いつもは不良顔負けの、乱暴な言葉をつかう美智子が。 「あー、ごめんね。ありがと」 あたしは赤いかばんを受けとろうと、手を伸ばした。 その瞬間、爽の長い細い腕が、ひょいと持ち上がる。 「ちょっと・・・!!」 少し機嫌を悪くしたあたしに、爽はにっと笑った。 周りにいた女子の視線が、爽に一斉に集まる。 「一緒食べよーよ!」