「えと・・・片瀬波流(ハル)と、宇都宮爽・・・ですけど??」 先輩の目が、一瞬光った。 あっこは気がついていなかったみたいだけれど、私は見逃さなかった。 ・・・この先輩、絶対何かある。 「そうなんだ。んじゃぁ、俺はこれで失礼するわ」 先輩の目はさっきと同じ、優しげな目に戻っていた。 私とあっこに対して、にっこり笑いかける。 それから、私たちが何かを言うより先に、すぐに図書室から出て行ってしまった。 「あっこ、あれって例の先輩でしょ??」