「試合、放棄??」 ハルの声がした。 オレは振り返る。 そこには、ユニフォーム姿の、ハル。 多分、これから野球の練習があるのだろう。 真っ白なユニフォームが、少し、眩しい。 「そんなんじゃ、ねぇよ」 ぼそりと、呟いた。 説得力はなかったかもしれない。 でも、いい。 もともと、説得力なんて求めてない。 第一、ハルなら分かってくれる。 「知ってる」 ハルが、笑った。 笑って、オレの隣に来る。