亜子は、制服のままそこに立っていた。 近所の近くの、公園の前。 まだ、午前中だから。 人は、いない。 いたと言えば、 おじさんが犬を連れて前を通り過ぎていったくらいだ。 蝉の声が、彼女の耳を異常に突き刺す。 うっとうしい。 暑さも、蝉の声も。 夏はまだ、始まったばかりだけど。