ふと、夏夜が最後に僕と話した言葉を思い出す。 『どうしても、どうしても、あなたに見てほしかったの』 あの日の、朧げに光る十八夜の月。 君はあの月に、自分を重ねて見ていたんだね。 もうすぐ消えてしまう自分と 欠けていく月の輝きを そして、それを覚えていてほしいと言いたかったのかも知れない。 僕は思わずテーブルに伏した。 唇が痛くなるほど噛んでも涙は溢れ続け どんなに堪えても鳴咽が止まらなかった。