研究室の前に着くと、私は息を整えた。

軽くドアをノックする。
反応は……ない。
もう一度、今度は強めにノックする。
反応は、やっぱり返らない。

「すみませーん!」

「どうしましたか?」

後ろから声をかけられる。

「あのう、レポートを出したいんですけど……。」

って、シゲヤマかよ。

「あぁ、先生いないんですか?」

「いないみたいですね。」

いたら、こんな苦労しないっつーの!

「そうですか。どうします?」

はっ?こっちが訊きたい。

「どうすればいいですか?」

「そう、ですね。」

ダメだ。
こんなんじゃ埒が明かない。


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