いつものように山岸に扉を開けてもらい、部屋に足を踏み入れたとき。 ―――――――ドンッ 「っ!?」 大きな衝撃が背中に伝わり、俺は声にならない声を発した。 踏みとどまろうという意志に反して、体が倒れていくのを感じる。 時間の進みが急に遅くなったような、そんな錯覚に囚われる。 床が目の前に迫る中、俺はぼんやりと考えていた。 今日はとんだ厄日だ、と―――――……。 .