気分が優れないまま、俺は教室を出た。 今の俺は、多分あからさまに不機嫌な顔をしているだろう。 途中で誰かに呼び止められた気がしたが、知ったことではない。 ……早く帰って、この苛立ちを鎮めたい。 その一心で、俺は早々と教室を出た。 校門の外には、もう俺を迎えに来た車が待機しているだろう。 靴を履き替えようと下駄箱に手を伸ばした、その時。 まだほとんど誰もいないこの空間で、微かに話し声が聞こえてきた。 .