『第三試合、開始』 その声を聞いて、男は一気に蓮斗との距離をつめた。 決着が見える。 泣きながら蓮斗は必死で逃げた。 逃げるしか出来なかった。 だけど、手助けする事は許されない。 したらルール違反になってしまうから。 「…あの子、このままじゃ負けるわね」 その瞳は悲しそうに見えた。 手出しは出来ない。 何もする事は出来ないなんて、なんて無力なんだと思い知らされた。 こういう気持ちを味あわせる為にワザとチームにしたんじゃないだろうか。