握り締めた手を解き、立ち上がった。 更なる覚悟が決まったのだろう。 鞄を持ちゆっくりと自分の部屋を出て行った。 部屋を出ると、ちょうど部屋を出てきた奈央がいた。 「おはよう。お兄ちゃん」 「はよっ」 静かに挨拶を交わす。 毎日の出来事。 でも、コレが毎日ではなくなるかもしれない。 全ては潤次に掛かっている。