「一番大切なものは恋人だけど巻き込めないからさ。だから思い出の品」


その話を聞いて止まってしまった潤次。


自分が今奪った大切なもの。


それは南雲と恋人の大切な思い出の品。


けど、敗者に待ち受ける運命は…


「コレ、返す」


けれど、南雲は首を横に振った。


「良いんだ。もう、アイツは逝っちゃったからさ」

「えっ…」

「聞こえたんだ。戦いの最中にアイツの声で″バイバイ″って」


南雲の恋人はきっともう、この世にはいなくなった。


だから、もう頑張らなくても良い。


『勝者、三枝潤次。敗者の柊南雲は速やかに部屋を出て下さい』