ならば、そこを集中して攻撃するだけ。 一気に男との距離をつめた。 突然攻撃的になった潤次に南雲は驚いていた。 逃げるだけの高校生が牙を向いて走ってくる。 それでも怯まずに攻撃を続ける。 (オレの武器は体術。足を使ってナイフを全て叩き落す) 身軽にナイフをかわし、当たりそうになるナイフは叩き落していく。 これはとても高校生がなしえる業ではない。 どんどん距離をつめて、隙を見て左ポケットの手を掴んだ。 「!」 「渡して貰おうか。大切なものを」