けど、言うわけにはいかない。 言えばオレは死ぬし、2人は巻き込まれる。 「何でもねーよ。心配してくれてありがとな」 ニッと笑って見せた。 2人は静かに席に戻った。 でも、まだ心配そうに見ている。 だから平気そうに更に笑った。 無理して笑った。 オレはその時兵藤が心配の目以外でオレの事を見ていた事を知らないでいた。 そして、それを知ったのは随分先の事になる。