「じゃぁ、携帯見せて」
「え?」
今の時代、携帯を持っていることは普通で、恋人同士なら見たり見せたりするだろう。
だけど、突然のことで……
もちろん、男とは遊んでいない。
だけど、あたしは人間。
男とメールや電話はしたりする。
『男友達だよ』
の一言で納得してくれるなら、問題ないが、喜一君との経験上、そんな簡単にいくはずがない。
「なに?駄目なの??」
「いや、別に……」
「じゃぁ、見せて」
あたしの前に出された手のひら。
あたしが躊躇していると、
「見られたくないものでも、ある?」
そう聞かれた。
内容的には、見られていい。
だけど……
まぁ、彼氏だし。
彼女の言うことは信じてくれるか。
あたしは喜一君を信じて、携帯を手のひらに乗せた。