次第に拍手が収まってきたころ、ぽつりと委員長が呟いた。

「…じゃあ、王子役は……?」

その言葉に、またざわりとクラス内が騒がしくなる。


あちらこちから、同じような囁きが聞こえた。


「そんなの、ねえ」
「…うん」





『七澤君しか、居ないよね』