----------- 台本を片手に、教室へと向かう。 昼休みに入った廊下は食堂に向かう生徒で溢れていた。 その騒がしさの中、心には同じ事ばかりが胸に広がる。 先ほどの五十嵐の、あの甘ったるい雰囲気や言葉。 胸の奥にじわじわと滲みていくそれに、不快感を感じ眉を顰めた。 …でも、これから安藤との昼飯だ。 そう思えばだんだんと、溜まった黒い感情も薄れていくのだから――本当に、不思議なもので。 心はたしかに、幸福感に満たされていくのだった。