「びっくりしちゃったあ。七澤くんて、あんなことをする人なのね」 ふふふ、と小さな笑い声が耳に届く。 この笑顔で大抵の男は落とされるのかもしれないが、俺は上がった口角と細められた目に、ぞくりと鳥肌が立った。 不気味さに眉を顰めた俺を、五十嵐はさらに、笑う。 そして間合いを詰めて、俺の頬のあたりに長い手を伸ばした。 「ねえ、七澤くん」 ―……甘い香りが、鼻をくすぐる。 気持ちが悪い。 こちらを真っ直ぐに見つめるアーモンド色の眼が、きゅうっと細められた。 「安藤さんの事が、好き?」