-リンリンリン-

「おいで……おいで」

-チリン-

「あ、引っかかったあ」

-ズズ-

「あ~あ、もう動かなくなってる。また失敗かあ」

そう言って男の子は血で赤く染まった鈴を、もう一度地へ垂らし鈴を振った。

-リンリンリン-





「ん? 何か聞こえなかったか?」

アリスは手を耳に当て、耳を澄ました。

「さあ、気のせいじゃない?」

私……岡地春陽はアリスの声に立ち止まって耳を澄ましてみた。

やっぱり何にも聞こえない……。

「そんな事より早く理科室行こっ! 授業まであと2分しかないよ」

私はケータイを開いて時間を見た。

「ああ」

アリスはそう返事をして理科室へ足を進めた。

「ったく、希衣菜はまた遅刻?」

私は廊下を歩きながら言った。

「あいつのことだから、また夜中まで推理小説でも読んでいたんだろう」

アリスは当たり前のように言い捨てた。

-鈴木アリス-

2年前にこの町へ引っ越してきた女の子のことだ。

整った顔立ちをしていて、肌は透き通るように白い。

そのせいか週一……というより毎日異性に告白されている。

アリスが小学校へ転校してきたその日から、私は毎日アリスに声を掛けていた。

最初は、

「何この子。感じ悪」

と思っていたのだがなぜが不思議とアリスとは気が合っていて、気がついたら二人は親友

だった。

あ、忘れてた。3人だった。今はいないけど、さっき話に出てきた希衣菜。

-渡辺希衣菜-

こっちも女の私が見とれるぐらいの美人……と言うより、可愛いの方があってるかな。

希衣菜とは幼稚園からの親友で、小学校、中学校と同じいわば腐れ縁ってやつ? で結ば

れている。希衣菜は頭もすごくいいけど、ただ二つ欠点がある。

まず一つ目は、朝にすごく弱いこと。

希衣菜は最高でも10時までしか起きられない。

なのに推理小説が好きで、よく夜中まで起きて読んでいるので朝はいつも寝坊している。