その瞬間


「んっ、んぅ……」


アタシが軽くイッたことも兄ちゃんはお見通し。



ニヤッと不気味に笑い、


「もっとイカせたるからな」


と言って、まるでその後を表すかのような激しいキス。



そしてアタシは本当に、失神するまでイカされた。



兄ちゃんがイク瞬間の、色っぽいため息でさえアタシには聞こえていなかった。



























「……ミチ」


「………ミチ!」


兄ちゃんに呼ばれてハッと目が覚めた頃には外はもう暗くなっていた。



「やっと目覚ました」


気がつけば、リビングのソファではなく、兄ちゃんの部屋のベッドの上で兄ちゃんに包まれるように眠っていた。




あぁ、すごく


心地が良い。




「ミチの制服に興奮してもうて……ちょっと激しくしすぎたな」


シュンとする兄ちゃんに、「制服なんて毎日見てるやん」とツッコミを入れる。



……あ、兄ちゃん毎日興奮してるか。



「次はもっと優しくする」



そんなこと言っても無理やろ…と心の中でツッコミを入れる。



「次」があることにもう、


違和感なんて感じていなかった。





*