「あのぉ……」


あたしが口を開くと、シンゴさんとヨウスケさんはあたしを見た。


「今日はどこに行くんですか?」


あたしの言葉に、二人ははぁ、と深いため息を吐いた。


え……、あたしなんかマズいこと言った?!


だけど、二人の視線は兄ちゃんに向く。


「ヒロ……、お前ミチちゃんになんも言ってへんの?」


「ん?あぁ……」


シンゴさんはまたため息を吐く。


「今日は、海に行くんやで」


と、ヨウスケさんが教えてくれた。


う、海?!


「あ、あのあたし!何も準備してきてなくてっ」


ビキニも持ってないし……


と言おうとした時。


「あ、お前の荷物もうトランク入れたし」


兄ちゃんが、涼しい顔で言い放った。


「は、はい?」


「ビキニもちゃんと入ってる」


そう言って、兄ちゃんはニヤリと笑った。


ぞわわ


背中を寒気が襲う。



あたしは、どんなビキニを着せられてしまうんでしょ……


「じゃぁ、あの二人待ってるし行こか」


ヨウスケさんの言葉に、みんな車に乗り込む。


ヨウスケさんが運転席


シンゴさんが助手席


あたしと兄ちゃんが後部座席


嬉しそうな兄ちゃんに


あたしはすっごく嫌な予感……。



*