朝の5時頃。


キーッと自分の部屋の扉が開く音で目が覚めた。


誰……?って一瞬思ったけど、こんな時間に部屋に来る人なんて一人しかいない。


またか……


「ミチ……」


兄ちゃんの声に閉じてた目を開ける。


「なに……?」


あたしが聞くと、兄ちゃんはニヤリと笑った。


「起きて、準備して」


はい……?


こんな朝早くからどこ行く気?


しかも。


いつも眠そうな兄ちゃんがなんでこんな朝早くから元気なんや。


「早く。もうみんな待ってるから」


「え?!」


みんなって誰?!


疑問なところはすっごい多いけど、兄ちゃんの視線に負けて準備を始めた。



************


「おはよー、ミチちゃん」


「あ、おはよー、ございます……」


うちの前には車が止まってて、その中にはシンゴさんがいた。


そして。


「君がミチちゃん?めっちゃ可愛いやん!」


そういうあなたはカッコいいんですけど……誰?


「あ、俺はシンゴの兄のヨウスケだよ。よろしくね?」


「今日はアニキが車出してくれたんやー」


と、シンゴさんは言った。



*