初デートってやつだよね…。
教室でお弁当を広げながら自分に言い聞かせる。
先週の休日はテストが入っていたので、学校で顔を合わせただけ。
向き合って食べている唯一の人、透を盗み見た。
「あ、透なんかついてる」
言ってしまってから、思い当たって後悔した。
速攻でその額をブレザーの袖で拭う。
「つけてたんだよリップ」
「気づいてたんならすぐ取ってください」
「消毒薬は取ったよ」
微笑む透は静かに怒っていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…