そして私は 幻を見た。 どうして幻だと分かるかって…… だって苦しくて もう目を開けていられなかったから。 暗い瞼の裏側に 少年が見えた。 私の手を必死にたぐり寄せる あの少年は……誰? バタバタもがいても足が底につくわけでもなく。 水か空気かさえ分からない何かを蹴る。 でも何にもぶつからない。 麻木センパイ… 苦しい…です…助けて 助けを求めたのは、やっぱりセンパイだった。 .