「え?」 「だってさ、おかしいよ。」 「何がおかしいんだよ?別に何も、」 「おかしいよ。」 どんどん真剣さを増す瑠璃の声のトーンに、オレは不安を覚えた。 「先生、死ぬかもしれないって思いした事ある?」 「瑠璃、」 「あるの?」 「…ねぇ。」 「そっか、じゃあおかしい事に気づくわけないよね。」 「瑠璃、」 「先生なんかに、あたしの気持ちなんか分かるわけないんだよ。」 「…」 『分かるわけない』 その言葉は、想像してたよりも、オレの胸に深く突き刺さった。