あたしは先に先生の車で送ってもらう事になった。


先生の車っていってもレンタカーだけどね。


でもすっごいドキドキする。


病室以外で先生と2人きりになるのって初めてだもん。


「良いお父さんだな。」


車を運転し始めた先生が言った。


「うん。」


「オレさ、ずっとアメリカにいてたから日本の政治とかよく分からないけど、瑠璃のお父さんみたいな人が政治家だったら日本は変わると思うよ。」


「そりゃそうだよ。だってあたしのお父さんだもん。」


「だよな。」


「でもさ、先生がお父さんにあたし達の事話した時すっごい怖かったんだから。」


「オレも打たれる準備してた。」


「そうなの?」


「当たり前だろ?だってオレは瑠璃の医者なんだから。」


「でも、あたしはそんなの気にしないよ。先生は先生だけど、あたし先生のこと愛してるよ。」


「分かってるよ。でもな、世間ではそれが通用しない時だってあるだろ?」


「…ダメなのかな、医者と患者って。」


「分からねぇけど、でも瑠璃のお父さんはオレらのこと認めてくれたんだから、これからは…」


そこで先生は言葉を詰まらせた。