その電話には誰も出なかった。 だから仕方なくあたしが出た。 「もしもし。」 「もしもし?水無瀬さんのお宅ですか?」 「は、はい。」 あたしはある想像をし、一瞬返事に戸惑う。 あり得ない… あたしはそう自分に言い聞かせ電話に耳を傾ける。 「私、小西純と申しますが、」 「先生?」 「瑠璃か?!」 その声を聞いて、あたしは手が震えた。 夢か幻聴じゃないかと思った。 だけど、違う。 「せん、せ?」