あたしがそんな想いにひたってると―…。



優がいきなり、クスッと笑い出して…。



「なっ、なに…?」

あたしはびっくりして、顔を上げた。




「ごめんごめん。
美衣の後ろ髪が、鳥の巣みたいにクチャクチャになってて。
ちっちゃい子みたいで可愛いからさ…」

そう言ってまた、クククッと笑い出した。



「えっ!!?
えっ!!…うそっ…!?」


あたしは優から体を離すと、自分の後頭部を触り、確認する。



「ぎゃっ!

やだ、ほんとだ…
髪が絡まりまくってる〜…」

あぁ…
恥ずかしくて、顔が赤くなっちゃいそうだよ…。


あたしの髪質って、細くて柔らかいから、枕に髪を擦りすぎると、いつもこうなっちゃうんだよね…。




「ほんと美衣は可愛いな。

昔っから、エッチのあとはそんな頭になってたもんな〜あ♪」


なんて悪戯に笑いながら、あたしの頭をクシャクシャッとする。



「もっ…も〜ぉっ!
からかわないでよねっ!!」

あたしの顔からは、火が噴き出してしまいそうだ…。

「あははっ、照れた顔も可愛い〜♪」


「もぉーっ!やめてってば〜っ!」

恥ずかしくて、優の胸元をポカポカと叩き、顔を埋めると。



「美衣…」

今さっきまで、おちゃらけていたくせに。
いきなり真剣な表情へと切り替えられているもんだから。


またもやそんな優に、簡単に心奪われてしまうあたし…。



そして優は、あたしの両手首を掴むと。

そのまま、手首を耳の横で抑えつけてきて…。

上からジッとあたしを見下ろしながら、見つめてくる―…。




「―………!」


そんな優に、ノックアウト寸前なあたしは。

バクバクと心臓が暴れ出して、今にも口から飛び出してきてしまいそうだ…。




そして優は

真っ直ぐな瞳であたしを見つめながら。


「愛してる―…」


そう甘く、囁いて――…







そしてまた、




あたしを

優しく抱いた―…。




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