その瞬間――…
「えーーっ!!?」
だの
「うそだろーっ!!?」
だの
みんなの叫び声が響き渡ったのは、言うまでもない。
「えっ?えっ?
もしかして別れてからもお互い好きだったとか!?」
奈津は頬を紅潮させ、興奮しながら、あたしたちのことを肘で突いてくる。
「―……っ…」
あたしはなんだか恥ずかしくなってしまって、否定も肯定もできずに、俯いてしまう。
「きゃ〜ッ!!図星なんだっ!?
美衣ってば照れちゃって可愛い〜♪」
興奮しながら冷やかしてくる奈津のせいで。
あたしの顔は、火がついてしまったように熱くなる…。
「優も、ホントよかったな♪」
そう言って、淳也は優の肩をポンポンと叩くと。
ニッと真っ白な歯を見せ、満面の笑みを浮かべている。
「そうやって二人並んでると、なんかあの頃に戻ったみたいだよね〜!
やっぱりふたりは、お似合いカップルだよ♪」
奈津もそう言ってはしゃぎながら、あたしたちのことを喜んでくれている。
「美衣、よかったね!
今度こそ絶対に、優を手放したらダメだからね!」
なんて、凜もにっこり笑ってくれていて。
「うん、わかってる」
あたしからも、自然と笑顔がこぼれ落ちる。
みんながあたしたちのことを、こんなにも喜んでくれていて。
祝福してくれていて。
幸せな気持ちが
胸いっぱいに広がっていく――。
だけれど…
このことが引き金となり
後に、とんでもない事件を引き起こしてしまうことになるなんて…。
この時のあたしたちは
知る由もなかった―…。
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