だけれど、案の定…
「あたし…トイ…レ…っ、きゃッ…!!」
立ち上がった瞬間に足元がふらつき、よろけてしまった。
「ちょっと美衣、大丈夫!?」
隣に座る奈津があたしに手を差し延べてくれている。
「えへ…平気平気…♪」
調子にのって
少し飲みすぎちゃったみたい…。
「だから言ったのにー!
あたしトイレまで付き添うよ」
紗菜がそう言ってくれたけれど…
「ありがと。
でも、ほんと大丈夫だから」
そう言って、足元をフラつかせながら、部屋を出ると。
廊下ですれ違った店員にトイレの場所を尋ねて、トイレまで案内してもらった。
便座に座ると
あたしは自分のほっぺたをつねってみた。
「痛っ…」
頬に感じる鋭い痛みが、今日の出来事は、けして夢なんかではないということを、教えてくれる。
またこうして
優に会えるなんて―…
あたしの頭には
"運命"という二文字が浮かび上がった―…。
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