あの日…

握手会の日…。




あたしは

優を目の前にしたら、頭の中が真っ白になって…。


ただただ、優の目を見ることだけで精一杯で…。


何も伝えることができなかった…。


笑顔を作る余裕さえなかった…。





優は

あたしに会って



どんな気持ちだったのかな―…。





まさか、あの場所にあたしがいるなんて、思ってもみなかっただろうし…。



きっと、びっくりさせちゃったよね…?

迷惑だったかな…。





なんて、あたしは写真集を広げながら、あの日のことを振り返り、考えていた…。





――その時…



〜♪〜♪〜♪♪〜



「……!!!?」


あたしの携帯の着うたが流れ出して。



その音に
あたしの体も心も

ビクンッ!!っと反応を示した―…。




『…もしかして…!?』


そんな期待で胸が高鳴る…。



「まっ、まさかねっ!!」


優のことばかり考えているせいで


『もしかしたら…!!』

なんて、そんな図々しい期待や願望まで膨らんできてしまい…。


あたしは携帯の電話やメールの着信音に、過剰反応してしまうようになっていたのだ…。




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